ウイスキーブームの中、皆さんはウイスキーが手に入りづらくなっていることは、ご存じでしょうか?
近年では、銘柄によってウイスキーの生産量が足りず、供給が間に合わない状態ですが、一方で需要の高まりは右肩上がりとなっていて、需要と供給のバランスが崩れています。
供給が間に合っていないが、需要の高いウイスキーの銘柄は、市場では、希少酒としてプレミア価格で販売されています。
「生産量の足りてないウイスキーの原酒は何で出来ているのか?」
「なぜ手に入りづらいのか?」
について、今回は調べてみました。
ウイスキーの原酒とは原料と蒸留方法によって違う!
まず、知っていただきたいのは、ウイスキーの原酒は、『原料』と『蒸留方法』によって違うということ。
同じ『原料』であっても、『蒸留方法』が違えば、それは、原酒が違うということになります。
では、具体的にどのような種類があるのか、確認してみましょう。
ウイスキーの原種の種類①:モルトウイスキー
まず、1つ目は『モルトウイスキー』です。
ウイスキー好きなら聞きなじみがあり、ウイスキーをあまり飲んだことがない人でも、一度は聞いたことがあると思います。
そんなモルトウイスキーの原料は、大麦(モルト)です。
ここでピンときたかもいると思いますが、大麦を『モルト』と呼ぶことは知ってましたか?モルトウイスキーの『モルト』は原料の大麦から来ています。
その麦芽(モルト)を、まずは発酵させます。その後、単式蒸留器ポットスチルで2回蒸留します。
蒸留には、木製の樽を使って熟成するため、スモーキーフレーバーの香りがします。
蒸留方法は、まず、麦芽を砕いて温水を加えます。
その結果、大麦麦芽に含まれた酵素の働きにより大麦のデンプンが麦芽糖に変わります。
この『麦芽糖』から出る、『糖化液』にウイスキー酵母を加えると、化学反応が起こり、醗酵し糖がアルコールに変わります。
そしてビールのような液体ができあがりますので、この液体を蒸留すると、透明色のモルトウイスキーができあがります。
ウイスキーの原種の種類②:グレーンウイスキー
2つ目が、グレーンウイスキーです。
モルトウイスキーの原料は『大麦』でしたが、グレーンウイスキーは『穀類』(主にトウモロコシ)でできています。
蒸留は、パテントスチル(連続式蒸溜機、ニッカ社はカフェ式蒸溜機)で蒸溜し、その後の蒸留段階は、モルトウイスキーと同じ製法となります。
モルトウイスキーは、一つ一つの味が個性的で、その特徴から『サイレント(寡黙な)スピリッツ』などと呼ばれることもありますが、グレーンウイスキーは飲みやすく、軽さ、まろやかさに特徴があります。
ウイスキーの原種の種類③:カフェモルトウイスキー
最後にご紹介するのは、カフェモルトウイスキーです。
あまり聞いたことない人もいるかもしれませんが、原料は大麦で出来ています。
ニッカウヰスキーで開発した、独自の製法で、カフェ式蒸溜機で蒸溜しています。
味は、麦芽の甘さをふんだんに感じることができ、その奥に芳ばしさや軽快なモルト香を感じることができます。
ウイスキーの原酒不足とはどのような問題?
冒頭にも書きましたが、人気が高まっている日本産ウイスキーですが、銘柄によっては生産休止に追い込まれているものがあります。
ウイスキーのファンからしたら、とても残念なニュースではありますが、一体生産現場では何がおこっているのでしょうか?
ウイスキーの原酒不足とはどのような問題?
冒頭にも書きましたが、人気が高まっている日本産ウイスキーですが、銘柄によっては生産休止に追い込まれているものがあります。
ウイスキーのファンからしたら、とても残念なニュースではありますが、一体生産現場では何がおこっているのでしょうか?
ウイスキーは長い年月をかけて作るもの
原酒不足の背景には、ウイスキーの生産方法が関係しています。
そもそも、ウイスキーは短時間でおいそれと生産できるものではありません。
先ほども記載しましたが、ウイスキーは原料の大麦や穀物と水を発酵させ蒸留させ、その後、旨味を出す、または香りを付けるために樽の中で熟成させます。
ウイスキー作りにとって、熟成期間は特に大事な工程で、どのような素材の樽で熟成されたか?
または期間によっても香りや味わいが全く違うものになるので、商品によっていろいろな組み合わせで熟成させると共に、熟成期間の違ういくつもの原酒を混ぜながら作ります。
例えば、ウイスキーだと○〇年と数字が書いてあるウイスキーがありますが、あれは、熟成期間が書いてあり、10年以上熟成させているものがたくさんあります。
つまり、ウイスキーを売り出そうと思っても、原酒を作るのに、10年以上かかったりするので、すぐに生産量を増やそうと思っても、できない状況にあるといった感じです。
国産ウイスキーが既に手に入りづらい理由
昨今は、サントリーが仕掛けた『ハイボール』で火が付きウイスキーが爆発的に売れるようになっていったが、実は、それまではウイスキーは全く売れず、重要がないと判断したため、各メーカー生産量を減らしていっていたのです。
予想だにしないウイスキーブームの到来により、生産量を減らしていたことが裏目にでて、原酒が足りなくなっているというこです。
もちろん、対策は講じているが、原酒を作るのも時間が掛かるので、今のところは大した効果を上げられてはいないようです。
販売を再開するには、当然需要に合った生産量を確保することが重要ですが、各社に問い合わせてみると、生産休止に追い込まれたウイスキーの販売時期は見通しが立っていないそうです。
それもそのはずで、今、日本のウイスキー業界の需要は以前の2倍にまで膨らんでおり、需要に見合ったウイスキーを出すのは全然追い付いていない状況です。
現状でいうと、各メーカーは熟成期間の浅いウイスキーを販売するなどして、何とかやりくりをしている状況です。
まとめ
皆さん、いかがでしたでしょうか?
ウイスキー人気に伴い、裏側では生産量が追い付かない問題が出てきています。
以前は、Barなどにしかおいていないウイスキーでしたが、今は居酒屋にも置いてあり、どこにいってもハイボールは飲めるようになっています。
また、Barなどに国産ウイスキーを見かけたらレアウイスキーかもしれないので、マスターに何年ものか聞かれてみるのが、いいかもしれませんね。
流通してないとはいえ、Barに行くとレアもののウイスキーに出会えることがあるので、Bar巡りをしなら、ウイスキーを探してみるのも、また楽しい飲み方かもしれないですね。
レアウイスキーを見つけることができたら、是非飲まれてみてはいかがでしょうか?
きっと美味しいはずですよ!