ウィスキー愛好家のDaichi(@DonWhisky1997)です!
ウイスキーを飲むようになると、なにかと耳にする“ピート”
今回はウィスキーを知る上で重要な「ピート」について詳しく説明していきます。
ピートとは?
「ピート」とは、泥炭(でいたん)と言い、枯れた野草や水生植物などが長い年月をかけて堆積したものです。
15 cm堆積するのに1000年かかるともいわれています。
炭化の進み具合、シダやコケ、ヘザーなど堆積する植物、体積年数などなど。
その種類は多岐にわたります。
かつてスコットランドでは、燃料はピートだけでした。
石炭みたいなものと思ってもらえると分かりやすいかなと。
ピートは寒冷地の湿原でしかできないため、スコットランドではよくみられます。
実際に切り出されたピート
ウイスキー造りの聖地“アイラ島“は4分の1がピート湿地に覆われています。
どうりでアイラ島で造られたウイスキーはピートの香りが強いのか!なんて思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ウイスキーとの関係
スコッチ独特のスモーキーフレーバーは、このピートによるものなのです!
モルトウイスキーを製造する際の最初の工程に、“製麦”があります。
下準備として大麦を発芽させた後、水分量を下げる。
つまり、乾燥させる必要が出てきます。
この乾燥に使うのが、まさに“ピート”による燻蒸なのです。
ピートを焚き込んだ大麦麦芽を、ピーテッド麦芽と呼びます。
ピーテッド麦芽を原料としたウイスキーが、癖の強いウイスキーと認知されているものです。
ピートの役割
全ての乾燥をピートで行うと、香りが付きすぎてしまいます。
そこである程度のところで、無煙炭による乾燥に切り替えます。
この切り替えのタイミング、つまり、どれだけピートを使って乾燥させたかで強弱をつけます。
当然、癖のないウイスキーはピートを使用していませんし、なかには、全乾燥をピートでおこなうツワモノもいます!
ピートを表す単位のppmとは!?
スモーキーフレーバーの強弱を示す数値としてフェノール値が用いられます。
単位には、[ppm] 百万分率を意味する割合が使われます。(補足)1 % = 10.000 ppm ということです。
ライトリーピーテッド麦芽では2-5 ppmヘ、ビリーピーテッド麦芽では20 ppm 以上と言われています。
ノンピーテッド麦芽でも1 ppm程度の値がでることもあります。
(注)製造工程からわかるように、数値が高ければ高いほど、スモーキーになる癖が強くなるとは限りません。
なぜなら、ウイスキーの味わいを決定する要素が他にもたくさんあるからです。
いくら数値が高い麦芽を使っていても、樽材によっては数値を感じさせない飲みやすくなることが稀にあります。
ピーティーなウイスキー
ここでは実際に、ピーティーなウイスキーを紹介していきます。
【初心者向け】タリスカー10年 (18-22 ppm)
ハイボールとの相性抜群!スモーキーでスパイシー!
Barでの一杯目に最もふさわしいウイスキーです。
【中級者向け】アードベッグ10年 (55 ppm)
初めて飲んだ時は強烈に思えたピート香が、いつのまにか癖になる!
ファン続出の魅力的なウイスキーです。
【上級者向け】オクトモア (130-140 ppm)
手に入りにくいため、Barで見かけたら飲んでみたいウイスキー。
ただ、かなりのツワモノ。
前述のように、100 %ピートで乾燥を行います。
なかには309.1 ppm記録したオクトモア08.3なんてものも。
まとめ
・枯れた野草や水生植物などが長い年月をかけて堆積したもの
・スコッチ独特のスモーキーフレーバーは、このピートによるもの
最初は毛嫌いされがちなピートの個性。
気づいた時にはそれしか飲めなくなってしまうかも!?
ぜひBarで自分好みのウイスキーを探してみてください。